放送開始後、回を追う毎に視聴率を上げ、見逃し配信のTverお気に入り登録数も160万を突破したという、TBS系の火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』。
男として完璧を求めていた「海老カツ」こと海老原勝男(竹内涼真)が、外さない女を演じていたはずの「あゆメロ」こと山岸鮎美(夏帆)の、まさかのプロポーズ拒絶に遭い、
「・・・完璧な俺の、何がダメだったんだ!?」
という絶望の疑問符から始まる、その後の二人の成長&再生ロマンスコメディです。
そして、このドラマのムードをキュートで軽やかに盛り立てているのが、挿入歌の『that’s all i can do』。
女性3ピースバンド・Chilli Beans.が手がけたこのナンバー、今、視聴率上昇とともに注目度爆上がり中です。
今回は、このChilli Beans.にフォーカスしながら、今後の『じゃあつく』の展開を予想していきます。
踊れるポップロックバンド、Chilli Beans.プロフィール

Chilli Beans.は、2019年に結成され、2021年にメジャーデビューした、Moto(Vo)、Maika(Ba&Vo)、Lily(Gt&Vo)からなる3ピース・ガールズバンドです。
等身大な世界観を醸し出す楽曲と、リベラルなムードのライブパフォーマンスが魅力のグループで、バンド名は影響を受けたレッド・ホット・チリ・ペッパーズの「チリ」と、まだまだ豆の如くヒヨッコ+オーガニックなイメージを添える「ビーンズ」を合わせたもので、最後に「.」を付けます。
彼女たちが繰り出す音楽は、「踊れるポップロック」「ネオ・ガレージスタイル」などと称されます。
気負いのない歌詞と、自由奔放なパフォーマンス。
気づけばつい口ずさんでしまいたくなるようなフレーズや、リラックスして踊りたくなってしまうビート感が本当に彼女たちらしくて、いつの間にかハマってしまったというファンも少なくありません。
『that’s all i can do』が盛り立てる、勝男と鮎美の恋の行方
そんなCilli Beans.の魅力が、ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』のストーリーと絶妙にシンクロする彼女達の新曲『that’s all i can do』は、勝男と鮎美の「次なる行動」に合わせるようにして劇中で流れ出します。
2025年10月8日リリースのこの曲、作詞・作曲・編曲ともにクレジットはChili Beans.
となっていますが、この歌詞が、本当にドラマにドンピシャな内容となっています。
つまり、この曲は100%ドラマのために書き下ろされたんだと考えて間違い無いでしょう。
きっと、メンバーみんなでドラマの台本を読んだり、原作マンガにもしっかり目を通した上で、曲のイメージを膨らませていったんだなぁとわかる内容構成となっているので、まるでこの曲は、そのままドラマのあらすじのようです。
そして、この曲がグッドタイミングで挿入されていることも、ドラマ視聴率を稼いでいる一因だと言っても、あながち間違ってはいないと思うんです。
Chilli Beans. – that’s all i can do (Official Music Video)
完全リセットされた2人が互いを見つめ直す第9話
さて、11月18日放送の『じゃあつく』第8話では、事実上別れた勝男も鮎美も未だお互いの両親には別れたことを打ち明けられないままだった状況から、遂にその事実を告白し、名実ともに別離を確定させましたね。
しかし、それは同時に、二人の新たな始まりの予感を、半ば確信へと導く回でもありました。
その証拠に、両親達が勝手にセッティングした「両家初顔合わせ」の会席の場で、鮎美の母親が取り繕うように鮎美のことを「どうしようもない子なんです」と連呼した際に、本来ならこの席で家族に二人の別れを公言するはずだった勝男は、思わず
「どうしようもなくないですよ!どんなことがあっても、ちゃんと自分の手でなんとかする、そんな鮎美さんだから…僕は好きになったんです!」
と反論してしまい、逆にこれがプロポーズの弁だと、双方の誤解を招いてしまうという事態に。
「言えなかった…」
「言えなかったね」
と落ち込む二人でしたが、この日一日を通じて、二人は別れを超えて、「今日は楽しかった」と互いに言い合えるまでにお互いを見つめ直すことができてています。

僕が思うに、これは、別れは確定したけれど、別の見方をすれば、二人は「振り出しに戻った」と見るべきなんだろうな、と。

これまでこのドラマは、「別れた後の勝男と鮎美」の変化と成長を追うように進行してきました。
「料理は女が作るもの」としか考えなかった勝男が、鮎美が作った筑前煮の味が忘れられずに、意を決して自分で筑前煮を作ってみるところから始まった、今までの大きな勘違いと不理解への気づき。
一方の鮎美は、勝男と別れたことをきっかけに自分らしさを取り戻そうとするが、ことごとく壁にぶつかり、その度に自身の価値観や、自分は本来何をしたかったのか、を考えるようになっていきました。
別々になり、それぞれが自分を見つめ直してきたからこそ、この回での、二人の地元、大分で過ごした時間は、ある意味二人にとってのリセットボタンとして機能できたんだと、僕は思います。
さあ、このあと二人の距離感はどうなっていくのでしょうか?
第9話以降の展開が、実に気になりますね。
原作はまだ連載中。だからドラマの結末はオリジナルなものに?
実は、同名の原作マンガ(谷口菜津子 @nco0707)はまだ連載中で、結末が確定していません。
だから、原作者自身も、「鮎美と勝男はどうなるのか結末が楽しみです」とコメントしているそうです。
だから、「もしかするとこのドラマ、単純にありきたりなハッピーエンドでは終わらないんじゃないか?」って、僕は思います。
このドラマの核心は、今まで「当たり前」だったことを、改めて見つめ直す、ところにあります。
だから決して、劇中でしょっちゅう勝男が見ているトレンディ?ドラマのようには終わらないはず。
そして、今回フォーカスした挿入歌の『that’s all i can do』というタイトルも、なんだか意味深です。
That’s all I can do、つまり、「それが私にできるすべてです」というタイトルのこの歌が、今まで折に触れてインサートされてきた『じゃあつく』が、フツーに「めでたし、めでたし」終わるわけがない!
歌詞にも、「もしも」話はそう叶わない、とあるし、ここはひとつ、最終話まであらためて腰を据えて見ていこうかなっと思ったところであります。
テレビ版『じゃあ、あんたが作ってみろよ』も残り数話です。
みんなで「それぞれの結末」を想像しながら、最後までワクワク・ソワソワして楽しんでいきましょう!


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